
| 英文名 | Molecular Evolutionary Biology | |
|---|---|---|
| 科目概要 | 未来工学研究科(修士課程)生命データサイエンス専攻修士1年~2年前期、専門科目、選択、講義、2単位 |
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| 科目責任者 | 原 雄一郎 | |
| 担当者 | (※は実務経験のある教員) 原 雄一郎 | |
| 講義室 | ||
大量のデータを統合して生命現象を俯瞰する際には、単一の生物種のみを対象とするとは限らない。複数の生物種の情報を統合するには進化生物学に立脚した思考が必要となる。また、 AlphaFold2を代表として現代の生命情報解析には進化学的な見地が織り込まれていることがしばしばある。本講義では、進化生物学及び分子進化学の基礎的な知識・技法を修得するとともに、大規模データにより駆動される現代の生物学における進化学的解析の寄与について知識を深める。
進化生物学の一般教養、系統樹推定・自然選択の検出などの分子系統学的手法並びに種間・集団・個体内細胞間比較によるオミクスの統合的解釈について講義する。また、分子進化学と他分野との融合についても講義する。
パワーポイントや板書による講義を通じて知識を養い、実習を通じて解析技術を得る。また、適宜課題を出し、その解答を示すことにより知識の定着を図る。課題に関する模範解答を作成し、受講者全員に配布する。
DP1
| 回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | はじめに: 進化生物学 | ダーウィンから現代までの進化生物学の概要を理解する。 | 原 雄一郎 |
4/9③ |
| 2 | 分子進化の中立説 | 分子進化の中立説を理解し、分子配列を用いた進化学的解析の概要について学ぶ。 | 原 雄一郎 |
4/16③ |
| 3 | 生物の系統 | 地球上の生物における分類体系並びに形態・分子を用いて推定された系統関係について理解する。 | 原 雄一郎 |
4/23③ |
| 4 | 遺伝子の進化 | 突然変異など遺伝子内に起きる進化と遺伝子重複・遺伝子欠失など遺伝子レパートリーの進化について、及びオーソログクラスタリングについて理解する。 | 原 雄一郎 |
5/7③ |
| 5 | 分子配列アラインメントと進化距離 | 配列アラインメントおよび配列置換モデルの理論と実践を理解する。 | 原 雄一郎 |
5/14③ |
| 6 | 距離行列法による分子系統樹推定 | 距離行列法による系統樹推定の概要を学び、近隣結合法による系統樹推定を理解する。 | 原 雄一郎 |
5/21③ |
| 7 | 最尤法・ベイズ法による分子系統樹推定 | 最尤法・ベイズ法に基づく系統樹推定と配列置換モデルの選択について理解する。 | 原 雄一郎 |
5/28③ |
| 8 | 樹形の信頼度の推定・祖先配列の推定 | ブートストラップ法をはじめとする樹形の信頼度を推定する方法並びに系統樹の内部ノードにおける祖先状態を推定する方法を学ぶ。 | 原 雄一郎 |
6/4③ |
| 9 | 自然選択・収斂進化の検出 |
分子配列情報と統計学に基づく自然選択並びに収斂進化の検出方法について理解する。 | 原 雄一郎 |
6/11③ |
| 10 | 比較オミクス解析① ゲノム配列の種間比較 |
生物種間でゲノム配列を大規模に比較するための解析手法・有用なデータベースを学び、ゲノム比較によって得られる生物学的知見について理解する。 | 原 雄一郎 |
6/18③ |
| 11 | 比較オミクス解析② トランスクリプトーム・エピゲノムの種間比較 |
生物種間でトランスクリプトーム・エピゲノムを大規模に比較するための解析手法を学び、オミクス比較によって得られる生物学的知見について理解する。 | 原 雄一郎 |
6/25③ |
| 12 | 分子進化学の実習① 分子系統樹の推定と自然選択の検出 |
分子系統解析ツールを用いて遺伝子の分子系統樹を推定し、遺伝子の進化過程を推定する。分子系統解析に有用なデータベース・オンラインツールを知る。 | 原 雄一郎 |
7/2③ |
| 13 | 分子進化学の実習② 種の系統樹 |
種間で共通するオーソログを収集して統合的に分子系統樹を推定し、種の系統関係を推定し、系統間で生じている進化速度の差異について考察する。 | 原 雄一郎 |
7/9③ |
| 14 | 分子進化学の実習③ オミクス種間比較 |
種間で共通するオーソログを収集して統合的に分子系統樹を推定し、種の系統関係を推定し、系統間で生じている進化速度の差異について考察する。 | 原 雄一郎 |
7/16③ |
| 15 | 分子進化学の実習(まとめ) 進化学への機械学習の適用 |
前3回の実習の結果に対し、生物学的意義を議論する。 大規模データと機械学習を組み合わせた進化を予測する最新の研究について学ぶ |
原 雄一郎 |
7/23③ |
生命情報科学を研究するにあたり、生命史を概観し生命現象の普遍性・系統特異性を見出すための進化生物学のリテラシーを身につける。分子系統解析などの分子進化学の基本的な手法を身につける。
講義内の実習(30%)と期末レポート(70%)の結果から総合的に判断する。
【講義時間外に必要な学修時間:60時間】
予習:講義中に事前に指定する講義内容のプリントを読み、疑問点を明確にしておく。実習に際しては事前にツールをインストールし、関連論文とREADMEを読む。
復習:講義内で出題する課題に対する解答を作成し、課題提出後に配布する模範解答と比較・検討する。
講義に関する質問はメールや対面で対応するとともに、重要な質問に対しては受講者全員で共有する。
【関連科目:ゲノム科学特論、生物配列解析特論、トランスオミクス特論】
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
|---|---|---|---|
| 教科書 | 配布資料あり | ||
| 参考書 | Molecular Evolution: A Statistical Approach |
Ziheng Yang |
Oxford University Press |
| 参考書 | Evolution |
Douglas Futuyma |
Oxford University Press |
| 参考書 | 進化で読み解く バイオインフォマティクス入門 |
長田直樹 |
森北出版 |