Web Syllabus(講義概要)
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細胞の物理化学特論
英文名Advanced Course of Cellular Physical Chemistry
科目概要未来工学研究科(修士課程)生命データサイエンス専攻修士2年前期、専門科目、選択、講義、2単位
科目責任者 岡 浩太郎
担当者(※は実務経験のある教員) 岡 浩太郎設樂 久志
講義室

授業の目的

細胞機能を物理化学の観点から理解することを目指し、物理化学の知識をブラッシュアップするとともに、よりアドバンスな内容として、マルコフジャンプ過程、熱揺らぎと拡散現象、分子機械と速度論、情報とその複製、細胞の物理化学的性質の計測方法、細胞を定量的に評価する方法、シグナル伝達、細胞運動などについて定量的に扱う方法について講義する。

教育内容

細胞機能については様々な物理化学的な理論により記載することが進められている。そのような手法の幾つかは統計物理学や計算機科学からのアイディアが含まれており、これらの手法について習熟することは細胞機能を定量的に記載するのに必要である。そのような理論と手法について学ぶ。

教育方法

パワーポイントを用いて毎回講義を行うとともに、適宜レポートを課すことにより理解を深める。
講義内で出された課題について、講義中に解説を行う。質問には授業中やその前後、メール等で随時対応し、重要だと思われるものについては講義内で共有し、解説する。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

DP1

授業内容(シラバス)

項目内容担当者日時
1細胞の構築とその機能細胞機能について復習をするとともに数理的な扱いについていくつか例示し、講義のイントロダクションとする。岡 浩太郎
4/10③
2反応速度論細胞内での化学反応の時系列を追跡する方法としての速度論について理解する。岡 浩太郎
4/17③
3力学系微分方程式で記載できる力学系について、安定性の解析方法などについて理解する。岡 浩太郎
4/24③
4マルコフジャンプ過程マルコフジャンプ過程を細胞内現象に適用する方法をマスター方程式の話などを含め理解する。岡 浩太郎
5/8③
5熱揺らぎと拡散現象①ブラウン運動、マスター方程式、拡散方程式などについて理解する。岡 浩太郎
5/15③
6熱揺らぎと拡散現象②ランジュバン方程式を利用して揺らぎを記載する方法を理解する。岡 浩太郎
5/22③
7分子機械の力学微小な環境で分子機械が働くメカニズムを物理的に理解する。岡 浩太郎
5/29③
8情報の複製細胞内で情報がどのように扱われていて、その複製がどのように行われているのかを物理的に理解する。岡 浩太郎
6/5③
9物理化学的性質の測定方法①細胞の物理化学的性質がどのように計測されるのか理解する。設樂 久志
6/12③
10物理化学的性質の測定方法②画像や顕微鏡装置を利用し、細胞内外の力がどのように計測されているのか理解する。設樂 久志
6/19③
11細胞と定量性①細胞のサイズや細胞内分子の数に注目し、細胞やその器官について具体的な個数などを想像しながら理解する。設樂 久志
6/26③
12細胞と定量性②細胞内で行われる現象について、具体的に分子や受容体等の数など定量的にイメージしながら理解する。設樂 久志
7/3③
13細胞内の制御システム遺伝子調節システムを例に、細胞内ダイナミクスについてシミュレーションを通して理解する。設樂 久志
7/10③
14シグナル伝達細胞内シグナルの性質を定量化し、物理化学的性質を記述する手法を理解する。設樂 久志
7/17③
15細胞運動細胞運動を引き起こす分子メカニズムを学び、その運動を数学的にモデル化し記述することで理解する。設樂 久志
7/24③
No. 1
項目
細胞の構築とその機能
内容
細胞機能について復習をするとともに数理的な扱いについていくつか例示し、講義のイントロダクションとする。
担当者
岡 浩太郎
日時
4/10③
No. 2
項目
反応速度論
内容
細胞内での化学反応の時系列を追跡する方法としての速度論について理解する。
担当者
岡 浩太郎
日時
4/17③
No. 3
項目
力学系
内容
微分方程式で記載できる力学系について、安定性の解析方法などについて理解する。
担当者
岡 浩太郎
日時
4/24③
No. 4
項目
マルコフジャンプ過程
内容
マルコフジャンプ過程を細胞内現象に適用する方法をマスター方程式の話などを含め理解する。
担当者
岡 浩太郎
日時
5/8③
No. 5
項目
熱揺らぎと拡散現象①
内容
ブラウン運動、マスター方程式、拡散方程式などについて理解する。
担当者
岡 浩太郎
日時
5/15③
No. 6
項目
熱揺らぎと拡散現象②
内容
ランジュバン方程式を利用して揺らぎを記載する方法を理解する。
担当者
岡 浩太郎
日時
5/22③
No. 7
項目
分子機械の力学
内容
微小な環境で分子機械が働くメカニズムを物理的に理解する。
担当者
岡 浩太郎
日時
5/29③
No. 8
項目
情報の複製
内容
細胞内で情報がどのように扱われていて、その複製がどのように行われているのかを物理的に理解する。
担当者
岡 浩太郎
日時
6/5③
No. 9
項目
物理化学的性質の測定方法①
内容
細胞の物理化学的性質がどのように計測されるのか理解する。
担当者
設樂 久志
日時
6/12③
No. 10
項目
物理化学的性質の測定方法②
内容
画像や顕微鏡装置を利用し、細胞内外の力がどのように計測されているのか理解する。
担当者
設樂 久志
日時
6/19③
No. 11
項目
細胞と定量性①
内容
細胞のサイズや細胞内分子の数に注目し、細胞やその器官について具体的な個数などを想像しながら理解する。
担当者
設樂 久志
日時
6/26③
No. 12
項目
細胞と定量性②
内容
細胞内で行われる現象について、具体的に分子や受容体等の数など定量的にイメージしながら理解する。
担当者
設樂 久志
日時
7/3③
No. 13
項目
細胞内の制御システム
内容
遺伝子調節システムを例に、細胞内ダイナミクスについてシミュレーションを通して理解する。
担当者
設樂 久志
日時
7/10③
No. 14
項目
シグナル伝達
内容
細胞内シグナルの性質を定量化し、物理化学的性質を記述する手法を理解する。
担当者
設樂 久志
日時
7/17③
No. 15
項目
細胞運動
内容
細胞運動を引き起こす分子メカニズムを学び、その運動を数学的にモデル化し記述することで理解する。
担当者
設樂 久志
日時
7/24③

到達目標

細胞の機能について物理化学的に理解し、定量的に議論できるようになる。

評価方法

8回目終了時に岡担当の講義内容の確認のためのレポート(50%)、最終講義後に設樂担当の講義内容に関わるレポート(50%)を課し、総合的に判断する。

準備学習(予習・復習等)

【講義時間外に必要な学修時間:60時間】
予習:事前に配布するハンズアウトを利用して次回の講義の概要を調べておく。
復習:講義で取り扱った内容を理解し、講義中に指定された文献などを調査する。

備考・その他

【関連科目:計算論的神経科学、光学計測特論】

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考書細胞のメカニクスDavid Boal森北出版
参考書細胞の物理生物学Rob Phillips 他共立出版
参考書数でとらえる細胞生物Ron Milo 他羊土社
参考書定量生物学小林徹也 編
化学同人
教科書
署名
なし
著者・編者
発行所
参考書
署名
細胞のメカニクス
著者・編者
David Boal
発行所
森北出版
参考書
署名
細胞の物理生物学
著者・編者
Rob Phillips 他
発行所
共立出版
参考書
署名
数でとらえる細胞生物
著者・編者
Ron Milo 他
発行所
羊土社
参考書
署名
定量生物学
著者・編者
小林徹也 編
発行所
化学同人