英文名 | Bioinformatics | |
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科目概要 | データサイエンス学科3年前期、3群科目、必修、講義、2単位 | |
科目責任者 | 榊原 康文 | |
担当者 | (※は実務経験のある教員) 榊原 康文※、 鎌田 真由美※、 秋山 真那斗、 ジャヤクマル・ワサンタン※ | |
講義室 |
科目 | 教科及び教科の指導法に関する科目(高等学校 情報) |
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各科目に含めることが必要な事項 |
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人間の長さ約30億のゲノム配列が完全解読されたポストゲノム時代において、遺伝子配列解析やタンパク質の構造予測、トランスクリプトオーム解析などの諸問題を、情報科学や統計解析のアルゴリズムと手法を用いて解析する研究がバイオインフォマティクスである。本講義では、バイオインフォマティクスの基礎知識と応用について学ぶ。
ゲノムアセンブリのアルゴリズム、配列解析のための動的計画法を用いたアライメントやBLASTなどの汎用検索ソフトウエア、分子進化系統樹の計算手法について勉強する。さらに、比較ゲノム解析や遺伝子発現解析、オミックスデータ解析のための人工知能手法(クラスタリングや教師付き学習)などの研究についても勉強する。
内容について理解を深めるためにパワーポイントにより講義を行う。教科書の指定はなく、授業中に配布するパワーポイントの資料にすべて内容は含まれる。また数回程度の演習を行い、バイオインフォマティクスの手法の考え方の定着を図る。
演習課題等のフィードバックは、次回講義や講義のwebページ等で共有する。
DP4、DP5
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
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1 | イントロダクション | 生命科学研究としてのバイオインフォマティクスの必要性について、実社会の遺伝子検査を例に取り上げながら、講義する。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 4/8⑤ |
2 | ゲノム配列の決定法 | ゲノム配列の決定法について、ゲノムショットガン法とゲノムアセンブリを含め講義する。授業の最後にゲノムアセンブリの例題を解く演習を行う。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 4/15③ |
3 | 遺伝子配列のアライメント(1) | 遺伝子配列のアライメントについて、ペアワイズアライメント、大域的アライメントを含め講義する。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 4/22③ |
4 | 遺伝子配列のアライメント(2) | 遺伝子配列のアライメントについて、局所的アライメント、置換行列の算出法、ギャップスコアの種類を含め講義する。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 5/13③ |
5 | 遺伝子配列のアライメント(3) | 遺伝子配列のアライメントについて、多重アライメント、ツリーベース法、プロファイル解析法、モチーフの抽出を含め講義する。授業の最後に配列アライメントの例題を解く演習を行う。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 5/20③ |
6 | 遺伝子データベース検索 | 遺伝子データベース検索について、遺伝子検索ソフトウエアBLASTの仕組みを含め講義する。授業の最後に配列アライメントの例題を解く演習を行う。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 5/27③ |
7 | 遺伝子発現データの解析 | 遺伝子発現データの解析について、階層的クラスタリング、k-means法、遺伝子発現解析を含め講義する。授業の最後にデータベース検索の例題を解く演習を行う。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 6/3③ |
8 | 分子進化系統樹 | 分子進化系統樹について、分子進化系統樹の計算、比較ゲノム解析を含め講義する。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 6/10③ |
9 | 遺伝子発見アルゴリズム(1) | 遺伝子発見アルゴリズムについて、遺伝子コード領域予測、隠れマルコフモデルを含め講義する。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 6/17③ |
10 | 遺伝子発見アルゴリズム(2) | 遺伝子発見アルゴリズムについて、非コードRNAの配列解析、二次構造予測を含め講義する。授業の最後に遺伝子発見の例題を解く演習を行う。 | 榊原 康文 秋山 真那斗 | 6/24③ |
11 | 遺伝子発現解析 | 遺伝子発現解析について、発現変動遺伝子の検出、エンリッチメント解析を含め講義する。 | 鎌田 真由美 ジャヤクマル・ワサンタン | 7/1③ |
12 | ゲノムバリアント解析 | ゲノムバリアント解析について、バリアント・コピー数変化の検出と機械学習を含め講義する。授業の最後にゲノムバリアント解析の例題を解く演習を行う。 | 鎌田 真由美 ジャヤクマル・ワサンタン | 7/7④ |
13 | エピゲノム解析 | エピゲノム解析について、代表的エピゲノム解析手法を含め講義する。 | 鎌田 真由美 ジャヤクマル・ワサンタン | 7/8③ |
14 | マルチオミックス解析 | マルチオミックス解析について、マルチオミックス解析の人工知能手法と事例紹介を含め講義する。授業の最後にマルチオミックス解析の例題を解く演習を行う。 | 鎌田 真由美 ジャヤクマル・ワサンタン | 7/15③ |
15 | タンパク質構造解析 | タンパク質構造解析について、立体構造データベース、類似性の評価を含め講義する。 | 鎌田 真由美 ジャヤクマル・ワサンタン | 7/22③ |
コンピュータを使ったさまざまな解析ソフトウエアの理解と情報科学的なものの見方や考え方で生命現象を解析していくことができるようになる。
期末試験(70%)と演習課題(30%)の結果から総合的に評価する。
【講義時間外に必要な学修時間:60時間】
予習:講義中に事前に指定する次回講義内容について2年生で学んだ「アルゴリズム」や「人工知能・機械学習入門」の関連する項目を復習し、疑問点を明らかにしておくこと。
復習:講義中に学んだバイオインフォマティクスの手法について、講義後に配布する例題を解いて模範解答と比較・検討する。
生命科学の分野でもビッグデータの到来は顕著であり、大量のデータを解析して初めて新たな生命科学の知見や発見が得られる時代に突入している。この講義を通して情報科学的なセンスを身につけてもらうことを目指します。
【科目ナンバリング:FU301-MT03】
【関連科目:アルゴリズム、人工知能・機械学習入門、立体構造予測、ケモインフォマティクス】
(榊原)企業研究所での人工知能研究・第五世代コンピュータ開発経験をもとに、バイオインフォマティクスの手法と解析方法について、基礎から応用例までを解説する。
(鎌田)医療機関(大学病院)におけるゲノム解析研究の経験を踏まえ、各種解析方法について紹介する。
(ジャヤクマル)企業でのゲノムデータ解析の経験を基に、ゲノムデータの解析アルゴリズムや手法を紹介・解説する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | (なし) | ||
参考書 | バイオインフォマティクス入門 | 日本バイオインフォマティクス学会 編 | 慶應義塾大学出版会 |