英文名 | Data Science History | |
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科目概要 | データサイエンス学科2年前期、2群科目、選択、講義、2単位 | |
科目責任者 | 力丸 佑紀 | |
担当者 | (※は実務経験のある教員) 力丸 佑紀※ | |
講義室 |
科目 | 教科及び教科の指導法に関する科目(高等学校 情報) |
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各科目に含めることが必要な事項 |
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データサイエンス学科の学生として、「データサイエンスとはなにか」を歴史的な背景から考え、自分なりの答えを出すための機会をつくるための科目である。
「統計」「確率論」「応用数学」「機械学習」などデータサイエンスと似たような言葉との歴史的関連や、他科目で学ぶ統計的手法等誕生の流れも意識しながら、今日のデータサイエンスに至るまでの歴史を学ぶ。
パワーポイントや板書による講義形式で進める。歴史的な知識を問うのではなく、歴史的背景からデータサイエンスについて履修者自身が考えるような課題を出し、学生同士で共有することにより将来的なデータサイエンティストの役割を検討していく。
講義中の課題や中間試験での重要なコメントは受講者全員で共有する。
DP2、DP3
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
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1 | 統計のはじまり | 統計学とデータサイエンスの歴史全体の流れを最初に確認した上で、統計・統計学の定義を確認する。中国の人口統計、ローマのセンサスなど統計のはじまりについて知る。 | 力丸 佑紀 | 4/7④ |
2 | 統計学のはじまり | 政治算術が生まれた背景から、ニュートン力学の影響、グラントのロンドン死亡表、人口統計学について講義する。ドイツの国情論・国家学と、政府による統計調査についても概説する。 | 力丸 佑紀 | 4/14④ |
3 | 古典確率論 | ギャンブルをきっかけにはじまった、古典確率論、ラプラスの確率論について数学的な内容を解説する。 | 力丸 佑紀 | 4/21④ |
4 | 近代科学と統計学 | 近代科学の確立による統計の流行、ケトレーの社会物理学について概説する。 | 力丸 佑紀 | 4/28④ |
5 | 19世紀の統計学 | この時代の社会問題と統計学の関連、ドイツ社会統計学、医療と統計学の関連について概説する。 | 力丸 佑紀 | 5/12④ |
6 | 進化論と統計学 | ダーウィンの進化論に影響を受けた、ゴールトンによる回帰の概念の導入、カール・ピアソンによる相関係数の導入とカイ二乗検定の誕生について解説する。 | 力丸 佑紀 | 5/19④ |
7 | 数理統計学のはじまり | フィッシャーの功績のひとつである数理統計学、実験計画法、分散分析が生まれた背景について解説する。 | 力丸 佑紀 | 5/26④ |
8 | 数理統計学の完成 | これまでの内容に関連して「データサイエンス」をどう理解しているかのチェックを行う。 フィッシャーによる推定論、ネイマンとピアソンによる数理統計学の完成について概説する。 | 力丸 佑紀 | 6/2④ |
9 | 戦争と統計学 | 戦争と社会の変化によって、政府統計の拡充や大量生産に統計学が使われた流れ、シューハートの統計的品質管理法について概説する。 | 力丸 佑紀 | 6/9④ |
10 | 確率論の発展 | 20世紀前半の確率論について数学的な内容を解説する。 | 力丸 佑紀 | 6/16④ |
11 | 応用数学と統計学 | 応用数学と統計学の関連から、オペレーションズ・リサーチの確立、ワルドの統計的決定関数論について概説する。 | 力丸 佑紀 | 6/23④ |
12 | フィッシャーとネイマンの対立 | フィッシャーとネイマンの対立に注目し、フィッシャーの統計的手法と科学的推論、探索的データ解析について概説する。 | 力丸 佑紀 | 6/30④ |
13 | 経済学と統計学 | 経済統計が発達し、計量経済学が成立した流れについて概説する。 | 力丸 佑紀 | 7/7④ |
14 | 多様化社会の統計学 | 大量生産から多様性の時代へ移る中で起きた、ベイズ統計学の復活、IT技術の進歩、機械学習の流行について概説する。 | 力丸 佑紀 | 7/14④ |
15 | まとめ | 全体のまとめを行う。 これからのデータサイエンスについて考え、議論する。 | 力丸 佑紀 | 7/15④ |
統計学とデータサイエンスの歴史的背景を理解した上で、履修者自身のデータサイエンスの定義を語ることができる。
講義中の課題(40%)と中間試験(30%)と最終レポート(30%)の結果から総合的に評価する。
【講義時間外に必要な学修時間:60時間】
予習:次回の授業範囲について自主的に調べておくこと。
復習:前回の講義内容を復習し、講義中に提出した課題について再検討しておくこと。
講義に関する質問はメールや対面で個別に対応し、重要な質問に関しては受講者全員で共有する。
【科目ナンバリング:FU201-CF02】
【関連科目:確率の数理、データ解析とその数理Ⅰ】
(力丸)企業でのソフトウェア開発補助経験をもとに、近年のIT技術の進歩によりデータ解析がどのように変化してきたか、していくべきか説明する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | (なし) | ||
参考書 | 歴史と統計学 | 竹内啓 | 日本経済新聞出版 |
参考書 | 統計の歴史 | オリヴィエ・レイ | 原書房 |